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 私たちの生活は、プラスチックに支えられている。一方で、海に流れ出たプラスチックごみが紫外線などで劣化して細かく砕けた主に5ミリ以下の粒「マイクロプラスチック」が、海の生態系に影響を及ぼすと心配されている。日本近海はマイクロプラスチックの「ホットスポット」。国外から流れ着くのに加え、日々の生活の中からも発生している。私たち自身が向き合わなければならない問題だ。

 米ジョージア大は、日本から最大年5・7万トンのプラスチックごみが海に流出していると推計。世界で30番目に多いという。九州大の磯辺篤彦教授は「海への流出を減らすためには、私たちの生活で使うプラスチックの総量を減らすしかないだろう」と指摘する。

 「海に流れ込んでいるプラスチックは、街でポイ捨てされたものとは限らない」と話すのは、研究している東京理科大の二瓶泰雄教授だ。街中にあるごみ箱などプラスチック製品がボロボロになって、マイクロプラスチックを生み出すこともあるからだ。

 国連環境計画(UNEP)によると、自動車のタイヤが削れたときに出るカスや、フリースやセーターなどの化学繊維の服を洗濯したときに出る繊維ごみもマイクロプラスチックになるという。

 日々の生活のちょっとした工夫で、街中のマイクロプラスチックを減らすことはできる。

 例えばプラスチック製の洗濯ばさみ。庭やベランダなどで紫外線を浴び、ボロボロになりがちだ。破片が排水溝に流れ込み、そのまま河川から海へと流れ出す恐れもある。

 住宅街を歩けば、プラスチック製の植木鉢や、植木鉢代わりに使っている発泡スチロールが劣化してボロボロになり、周りに破片が散らばっているケースも見られた。陶器製の植木鉢を選択するという手もある。

 すでに街中に出てしまっているマイクロプラスチックを海に流さないためにできることはないのか。

 東京理科大の二瓶教授らが、清掃活動の盛んな東京都練馬区の路上を調べてみると、ほかの都市よりプラスチックごみが少ない傾向にあったという。「プラスチックごみが細かく砕ける前に、清掃活動で回収してしまうのが効果的だろう」(杉本崇)