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 三重県鈴鹿市が生活保護の申請を受け付ける際、一部の申請者の顔写真を撮っていたことがわかった。写真は台帳に張りつけて保管しており、窓口で保護費を現金支給する際に本人確認に利用したと説明している。市は「撮影自体は違法とは認識していないが、撮影以外の方法も検討していきたい」としている。

 鈴鹿市によると、写真撮影は受給者が増えて担当者が直接対応するのが難しくなったことなどを受け、2009年12月に始めた。顔写真つきの身分証明書を持たない場合や、身分証明書があっても顔写真と実際の容姿が著しく異なると市側が判断した場合、申請者本人の同意を得た上で撮影していたという。

 市によると、三重県内では身元確認のために顔写真を撮影している市町はほかにない。三重県によると、通常は顔のわかる担当者が窓口対応することが多く、担当者の不在時は生活保護の受給を認めた時に発行する決定通知書を持ってきてもらったり、生年月日で確認したりしているという。

 日本弁護士連合会の貧困問題対策本部事務局次長で、生活保護に詳しい森弘典弁護士(愛知県弁護士会)は「身元確認のために、申請者の写真撮影をするというのは聞いたことがない。不正受給を前提にした対応で、写真を撮る合理的な必要性がなく、人権的にも問題がある」と指摘している。(三浦惇平)