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 ホンダは19日、電動化など新技術の開発や環境規制に対応し、世界の自動車生産体制を見直す一環として、英国とトルコの工場での生産を2021年中に中止すると発表した。ホンダは欧州での自動車生産から撤退することになる。欧州での販売台数はホンダ全体の3%程度に過ぎず、近年は販売シェアも低迷していた。欧州事業を統括する会社は引き続き英国に置く。

 19日夕に都内で記者会見した八郷隆弘社長は「グローバルでの生産配置と能力の適正化を考えた。(英国で作る中型車シビックは)55%を北米向けに作っており、北米向けを北米で作ろうと考えた。(英国が欧州連合〈EU〉から離脱する)ブレグジットは考慮していない。電動化の加速、北米と欧州の環境対応の違いを考えて決定した」と述べた。英国内でEU離脱を巡り議論が続いているさなかでの生産中止決定については、「混乱をしているときだと認識しているが、取引先などに迷惑をかけないタイミングだと考えた」と説明した。

 今回生産中止が決まった英国のスウィンドン工場は1992年に車両生産を開始。現在は中型車シビックを生産している。従業員数は約3500人。英国で生産しているシビックの次期車は今後、北米などで生産する予定。トルコ工場は97年に車両生産を開始し、現在はシビックを生産。従業員数は約1100人。

 ホンダの18年の欧州販売は前年比7%減の14万3千台で、世界販売(523万8千台)に占める比率は2・8%にとどまった。欧州では環境規制の強化で電気自動車(EV)などの電動車の販売比率を上げる必要がある。しかしホンダの販売シェアが低い欧州では、高コストの電動車を現地生産するのは不採算だと判断した。今後欧州では、他地域から輸入した車を販売することになる。

 また、開発体制を見直すため、子会社の本田技術研究所(埼玉県和光市)が担う二輪車の開発部門を、4月1日付でホンダ本社に吸収するとも発表した。

 自動車業界では各国・地域の環境規制の強化に加え、電動化、自動運転など新技術の開発競争が激化し、メーカーは巨額の開発費用を捻出する必要に迫られている。ホンダは不採算の地域での生産を見直し、北米や中国など新興国、日本での生産に集中。新技術の開発も一段と加速させる方針。