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 投資関連会社「テキシアジャパンホールディングス」(千葉市中央区)による投資詐欺事件で、同社が現在、出資者に「仮想通貨」による返金を提案していることが同社関係者などへの取材でわかった。しかし、国内でこの仮想通貨を扱う登録業者はなく、「換金ができない可能性がある」との指摘がある。

 関係者によると、テキシア社は、関連する会社を通じて「ワールドフレンドシップコイン」(WFC)という仮想通貨での出資金の返済を提案。複数の出資者がこの形での返金に応じているという。

 WFCについて同社は「サハ共和国(ロシア)やシエラレオネのダイヤモンドの原石を担保にしているので信頼性が高い。価値がなくなることはない」「債権額と同額の仮想通貨残高を、残高管理などができるカードに記録して配布する」「今後価値があがり、借金の10倍以上(の価値)になる」などと説明。海外の複数の取引所に上場し、海外の銀行では現金化できるとうたっている。

 日本国内で仮想通貨の売買や、その媒介、取り次ぎなどをする業者は、資金決済法に基づいて「仮想通貨交換業者」として国の登録を受けているが、金融庁によるとWFCを扱う登録業者はない。国民生活センターは登録業者の利用を呼びかけており、「登録業者が扱っていない仮想通貨は、換金ができない可能性がある」と指摘する。

仮想通貨に期待する人たち、捜査協力拒む

 全国の約1万3千人から約460億円の出資金を募ったとされるテキシア社だが、出資者の中には警察の捜査協力の依頼を「私は被害者ではない」と拒む人もいるという。同社への出資による「損失」を超えるリターンを、仮想通貨・WFCに期待する人たちだ。

 2月下旬、テキシア社の関連団体が大阪市内で開いた「WFC説明会」には、テキシア社の出資者ら200人以上が集まった。同社の実質的経営者・銅子正人容疑者(41)らが詐欺容疑で逮捕された今も同社を信じ、新たな「もうけ話」への投資を検討している人たちだ。

 説明会では、WFCの発案者を名乗る男性が「近いうちに確実に60倍以上に価格が上がる」「WFCは世界の共通通貨になる」と断言。さらに、この男性が「WFCはテキシアの被害者救済のために立ち上げた。損益はすぐに取り返せます」と締めくくると、大きな拍手がわき上がった。

 会場にいた福井県の60代の女性は、テキシア社に500万円を出資した。「テキシアでは失敗したが、WFCは絶対に成功するから、私たちは損をしていない。『被害者』ではないんです」と話した。銅子容疑者についても「素晴らしい人。私は好きだし、信じている」と評した。同様に100万円を出資したという70代の女性も「(テキシア社には)出資ではなくて、お金を貸しただけ。貸した方が納得していれば、何も問題はない」と強調した。