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 戦後俳句の革新者として知られ昨年98歳で亡くなった俳人・金子兜太さんの日記が刊行された。俳人たちとの交流や句作をめぐる心情の動きなどが約60年にわたって記され、戦後俳句史を知る上で貴重な資料になっている。

 『金子兜太戦後俳句日記』(白水社)は全3巻。今回発売されたのは第1巻で450ページ、本体価格9千円。1957年から76年までが収録されている。

 注目されるのは、代表作の一つ〈彎曲し火傷し爆心地のマラソン〉の初出が記されていたこと。「俳句、どうしてもできず、眠る」と1行だけ書かれた翌日の58年3月9日、「夜、ムキになって俳句を作る。状態が熟し、次第にできてくる」として日記にも句が残されていた。

 その3日前には「俳句がどうしてもできない。いらいらする。イメージを整えるためと思い、『長崎の殉教者』(片岡弥吉)を読む」ともつづられており、句ができあがるまでの精神的なプロセスがうかがい知れる。

 ついに未完となった戦場体験の…

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