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 新緑の中で談笑する人たち。しぶきを上げる噴水。にぎわう団子屋。思い思いの被写体に、20人の男女がシャッターを切った。

 東京の井の頭公園で昨年4月、写真教室があった。桜の木の根元にレンズを向ける山口和彦さん(73)は、教室の主宰者の一人だ。

 2007年秋。その晩は少し酒を飲み過ぎた。

 JR中央線の吉祥寺駅で電車を降り、白い杖を手に自宅に向かっていると、男性の声がした。「ご自宅まで送りますよ」。足元がふらついていたらしい。一度は断ったが同じ方向に帰るという。腕を持たせてもらうことにした。

 「ぼく、カメラマンなんです」。男性の言葉を聞いて、縁のない世界の人だと思った。山口さんは幼いころに左目の視力を失い、20代後半で右目も完全に見えなくなっていた。大学を出て就職した英字新聞社は数カ月で退職した。

 男性は尾崎大輔さん(35)。視覚障害のある外国人留学生を支援していた山口さんの職場に来て、留学生たちの写真を撮るようになった。留学生にもカメラを持たせた。

 「山口さんも撮ってみませんか」

 カメラを40年ぶりに手にした…

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