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 サウジアラビアのムハンマド皇太子(33)がアジアを歴訪しています。記者殺害事件への関与疑惑で国際社会から批判され、大幅にイメージが悪化した今、どんな思惑があるのでしょうか。サウジの政治経済を専門とするジェトロ・アジア経済研究所の福田安志(さだし)さんに読み解いてもらいました。

なぜ、このタイミングでアジア歴訪?

 ――サウジのムハンマド皇太子がパキスタン、インド、中国を訪れています。なぜ、このタイミングでアジアの国々を訪問しているのでしょうか。

 「2018年10月にトルコのサウジ総領事館で起きたジャーナリスト殺害事件は、ムハンマド皇太子にとって誤算でした。それまでは若きプリンスとして、経済改革や映画館の開設許可、女性の運転解禁といった規制緩和に取り組み、国内での人気は高かったんです」

 「それが、事件で一気にコケてしまった。改革を続けるには欧米企業などからの協力が必要ですが、事件の影響で、『この国に投資して大丈夫か?』という疑念を与えてしまった」

 ――欧米からは完全に見放されたのですか。

 「サウジの対外関係は記者殺害事件後、厳しくなりました。欧米の主要国の首脳はサウジを訪ねていません。フランスのマクロン大統領は昨年12月の訪問をキャンセルしました。ただ、アラブ諸国との関係は立て直しつつあり、一部の湾岸諸国の首脳はサウジを訪れています」

 「昨年末にはムハンマド皇太子自らアルゼンチンのG20(主要20カ国・地域首脳会議)に出席し、関係改善に乗り出しました。今年6月には大阪でG20が開かれますが、実は来年の開催国はサウジなのです。欧米の首脳がこぞって来るのに、その時まで関係がぎくしゃくしていては困る。そんな事情があります」

 「そのステップとして考えたのがアジア歴訪でしょう。今回、訪問しているインドと中国は、ともにG20メンバー。来年の自国開催に向け、地ならしをしているわけです。次のステップは欧米ではないでしょうか。来年までにサルマン国王が欧米に行く可能性もあると思います」

英語堪能で能力高く、国王が重用

 ――サウジの国家元首はサルマン国王です。なぜムハンマド皇太子は一国のリーダーのように振る舞っているのでしょうか。

 「まず、サルマン国王は83歳と高齢で、頻繁に国外に行けないという理由があります。ポイントは、ムハンマド皇太子が国王の寵愛(ちょうあい)を受けていることです。サルマン国王が15年1月に王位に就いた時、ムハンマド皇太子は国防相に任命されましたが、まだ29歳で、周囲は非常に驚きました」

暴君か、改革者か。国王の寵愛を一身に受けるプリンスの素顔に迫ります。

 「なぜ抜擢(ばってき)された…

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