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 権利者の許可なくインターネットに上げられた漫画や写真、論文などのコンテンツについて、著作権を侵害していると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法改正の方針に対し、日本書籍出版協会など出版業界の9団体で構成する出版広報センターが21日、声明文を出した。

 悪質な海賊版サイトによって「日本のマンガは今、重大な危機に直面している」ため、法改正は「海賊版撲滅のための有効な一手になる」として改めて賛成の立場を表明した。一方、法改正が「ネットユーザーやクリエイターの表現行為を萎縮させるようなことがあってはならない。『表現の自由』こそ、マンガを含めた文化資産を生み出す最も重要な土壌である」ともつづった。「『表現の自由』への最大限の配慮がなされるよう望む」と注文をつけている。

 講談社の野間省伸社長も21日、決算報告会でこの問題に言及。「(海賊版)対策でやれることは何でもやってほしいが、『悪質なものに対して』(規制をかけてほしい)というのが大前提だ」と話した。表現の自由と作者の創作意欲を阻害することがあってはならないとして「違法化のためのハードルはたくさんあっていい」と述べ、違法とされる対象範囲が広がりすぎることに懸念を示した。

 今回の法改正で、政府は海賊版のダウンロードに広く規制の網をかける方針を打ち出している。これに対しては、著作権の専門家らからも違法とする範囲を「著作権者の利益が不当に害される場合」などに絞り込むべきだとの意見が出ている。(加藤勇介)