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 昨年9月の北海道地震で大きな被害が出た北海道厚真町では21日夜、震度6弱の最大震度を観測した。一部地域で断水し、住人たちは不安な夜を過ごした。一方、札幌市では交通機関が乱れ、零下の寒さの中、タクシー待ちの長い列が出来た。

 厚真町役場によると、午後9時20分過ぎに横揺れに襲われ、徐々に揺れが大きくなり、数秒間続いたという。役場には、けが人や火事などの情報は入っていない。役場内は一時停電したが、すぐに復旧した。町内の一部で断水している。避難所を2カ所設けたが避難者はいないという。

 断水している地区に住む女性は「地震の後、しばらくは水が出たので、まず風呂に水をためることができたが、その後、水が出なくなった。町の給水には今のところ頼らずにすんでいるけれど……」と不安そうに話した。町内の建設会社員の男性(63)は、自宅の居間で横になってテレビを見ていた時、突然「ガタガタ」と家が揺れ出し、その後、大きな揺れが起きた。「縦揺れだった。10秒ぐらいかな」。揺れがやんだ後に周囲を見て回ったが、物は壊れず、被害といえば棚から郵便物が落ちた程度だったという。「大きい揺れだったが、体感的には昨年の地震ほどではなかった。この前はひどかったから」

 一方、札幌市北区などでは震度5弱を観測。市営地下鉄は21日、全路線で終日の運転見合わせを決めた。JRでは乗客を乗せたまま、立ち往生した列車も。JR札幌駅改札口は、帰宅できない人たちであふれ返った。

 駅の構内の電光掲示板はほぼ表示が消え、足止めされた利用客はスマートフォンで情報を調べながら途方に暮れた様子だった。駅に隣接するバスターミナルにも長い行列ができ、客の列が近くのビルの中まで延びていた。

 「ニッカウヰスキー」の看板が光る繁華街、すすきの交差点の近くでも、タクシーを待つ人が数十メートルの列を作った。

 気象庁によると、21日午後11時の札幌市の気温は零下0・7度まで冷え込んだ。市はJR札幌駅周辺と繁華街の大通り地区を南北につなぐ地下歩行空間「チ・カ・ホ」(約520メートル)を、閉鎖せずに終日開放することを決めた。市営地下鉄の終日運休で、自宅に戻れない帰宅困難者が多数発生する恐れがあることを踏まえた措置という。

 同市白石区の40代の会社員男性は「飲み会が終わって地下鉄の駅に行ったら運休していた。30分以上待っているが、だんだん寒くなってきた。地震は予測できないのでしょうがないが、困っている」。JR札幌駅の改札口前では、江別市まで帰るという会社員男性(51)が30分ほど運行再開を待っていた。「もう少し様子を見てみます。会社では結構揺れて、この前の地震を思い出したが、停電にならなくてよかったです」と話した。

 市中心部のガソリンスタンドでは、揺れの直後から給油レーンに列ができた。アルバイトの男性(20)は「大規模停電が起きた昨年の地震では、車で携帯電話などを充電する人たちが多かった。その記憶がよみがえったのではないか」と話した。

 新千歳空港ターミナルビルディングによると、ターミナルビルの関連施設には特に大きな被害は確認されていないが、JR千歳線の運行が止まったため、空港で足止めとなった利用客らに毛布を配るなどの対応をすることにしている。

 日本航空によると、新千歳空港では一時、滑走路を点検。このため、同社の仙台発2909便(乗客65人)は上空で待機し、点検後に問題がないことを確認した段階で、約30分遅れの午後9時58分に着陸したという。

乗客乗せたまま駅間停車

 JR北海道によると、在来線の特急列車が3本、乗客を乗せたまま駅に停車している。苫小牧駅には、函館から札幌に向かう「スーパー北斗」が、新夕張駅には釧路から札幌に向かう「スーパーおおぞら」が、追分駅には帯広から札幌に向かう「スーパーとかち」がそれぞれ停車しているという。運転再開は朝になる見通しだ。

 また、千歳線の北広島―沼ノ端間に、快速列車や普通列車が数本、乗客をのせたまま、駅間で停車している。夜間のうちに近くの駅まで運行できるよう、復旧作業を急いでいる。