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 アフリカ最大の約2億の人口を抱え、有数の産油国でもあるナイジェリアで23日、大統領選挙の投票が行われた。現職と最大野党の候補の事実上の一騎打ちで、治安改善や経済の再生などをめぐって舌戦を繰り広げてきた。「地域大国」の選挙結果は国内外に大きな影響を及ぼしそうだ。

 ナイジェリアは、1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)が約5・5人で、30年後には米国などを抜き、人口が世界3位となる見込みだ。経済成長の潜在力があるといえるが、原油価格の下落などで2016年の経済成長率はマイナスとなった。失業率も約20%と高い。

 南西部ラゴスの投票所では、早朝から大勢の人が投票に訪れた。会社経営のジャクソンさん(32)は取材に「貧困や失業、テロなどの問題解消は経済の向上にかかっている。次の大統領には経済の再生を期待したい」と語った。

 今回の選挙は当初、16日に投票予定だったが、選挙準備が間に合わず、選挙管理員会が投票開始の5時間前に延期を決めた。23日も投票直前に北東部の都市で複数の爆発が発生するなど、混乱が続いた。

 現職のブハリ大統領(76)は前回選挙で、北東部を拠点にするイスラム過激派ボコ・ハラムの制圧などを訴えて当選。今回の選挙戦では「(この4年で)治安対策やインフラ整備を進めてきた」と強調した。ただ、体調の悪化で英国に1カ月以上滞在するなど、高齢による健康不安がある。

 最大野党が推すアブバカル元副大統領(72)は国営石油会社を民営化し、石油生産の効率化などを訴える。ただ、副大統領時代の汚職疑惑が取りざたされ、支持を集めきれていない。

 ナイジェリアでは一夫多妻の家庭も多く、人口が増え続けてきた。人口の多さは市場の大きさにつながるので経済成長にプラスに働く一方で、充実した教育や雇用、社会保障を一人ひとりに行き渡らせるには人口抑制策も必要とされる。国立人口委員会のグアジ・ベロ局長は「人口を抑制していくためにも、子どもたちへの教育が非常に大事だ」と語る。

 ロイター通信によると、選挙結果は今週末ごろ出る見通し。(ナイロビ=石原孝