屋久島の入山協力金など数千万円着服か 元職員を告訴へ
鹿児島県屋久島町や県、国などでつくる屋久島山岳部保全利用協議会(会長=荒木耕治町長)が、登山者から集める入山時の協力金など数千万円を着服したとして、会計担当だった職員を近く刑事告訴する方針を固めたことが、複数の町関係者への取材でわかった。職員はすでに解雇。25日に記者会見して公表する。
町関係者らによると、解雇されたのは40代の男性職員。2月の内部監査で協力金のほか、2015年以降、登山バスチケットの売上金の一部なども着服していたことが発覚。職員は「ギャンブルに使った」と不正を認めているという。
協力金は、世界遺産の屋久島の美観や環境を保全するため、登山者に任意で納入を求める制度。町条例に基づき、17年3月から始まった。集まった協力金は協議会が管理し、主に山岳のし尿処理やトイレ清掃に使われる。
納入の対象者は、縄文杉などがある「奥岳」に入る中学生以上の登山者で、金額は日帰りで1千円、山中泊で2千円。入山者の約8割が協力しており、昨年4月から12月の間に約5430万円が集まっている。(屋久島通信員・武田剛)
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