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 東京電力福島第一原発事故から8年になるのを前に、朝日新聞社と福島放送は、福島県民を対象に共同で世論調査(電話)をした。復興への道筋がどの程度ついたかを尋ねると、「大いに」(3%)と「ある程度」(49%)を合わせ、52%が「ついた」と答えた。

 調査は今回が9回目で、23、24両日に実施した。復興への道筋が「ついた」は事故翌年の2012年調査では7%、5年後の16年調査では36%と増え、今回ようやく半数に達した。道筋が「ついていない」は、「あまり」と「まったく」を合わせて44%だった。

 ただ、県全体で、元のような暮らしができるのは、今からどのくらい先になると思うかを聞くと、「20年より先」が最も多く56%。「20年ぐらい」18%、「10年ぐらい」15%、「5年ぐらい」4%だった。道筋が「ついた」と答えた層でも50%が、元の暮らしは「20年より先」と答え、8年を経てなお、前途が見いだしにくい心境がにじむ。

 事故による放射性物質の影響への不安も根強い。「大いに」(19%)と「ある程度」(41%)を合わせて60%が不安を「感じている」と答えた。

 原発事故の被災者への国民の関心が薄れ、「風化しつつある」と思う人は78%にのぼった。調査方法は異なるが、16、17日に実施した全国世論調査(電話)で同じ質問をしたところ、「風化しつつある」は71%。風化への福島県民の危機感の強さがうかがえた。

除染土の再利用は「反対」61%

 国は、東京電力福島第一原発の事故の除染作業で出た土のうち、放射能濃度の低いものを公共工事で利用する計画を進めている。今回の福島県民への世論調査で、この再利用への賛否を聞くと、「反対」が61%で「賛成」の27%を大きく上回った。

 男女差が大きく、男性は賛成40%、反対49%だったのに対し、女性は賛成が14%にとどまり、反対が73%にのぼった。女性の中でも特に40代以下で反対が多かった。

 福島第一原発では、除去が難しい放射性トリチウムを含む水が、たまり続けている。この処理水を薄めて海に流すことにも、反対が65%(昨年調査では67%)と多く、賛成は19%(同19%)だった。処理水の海洋放出による風評被害の不安については、「大いに感じる」が50%(同52%)、「ある程度感じる」が37%(同39%)。昨年と同様、9割が不安を「感じる」と答えた。

 原発再稼働については賛成13%、反対68%。2月の全国世論調査の賛成32%、反対56%と比べ、福島県民の方が反対が多かった。原発事故の教訓が、国の原子力政策に生かされているかを聞くと、65%が「生かされていない」と答え、「生かされている」は16%にとどまった。原発再稼働に反対する層では77%、賛成の層でも51%が「生かされていない」と答えた。