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 福島県内では原発事故の後、除染で大量の汚染土が発生した。国は最終処分量を減らし、「県外搬出しやすくするため」、県内での再利用計画を進める。だがこの計画は、避難者の帰還を妨げ、復興の停滞にもつながりかねない。県民は「そもそも約束違反だ」と不快感を示している。

 2月3日昼過ぎ、避難指示が解除されて2年半となる南相馬市小高区の羽倉(はのくら)公会堂。緊急に開かれた地区の役員会で、昨年末に持ち上がったある計画への反対意見が相次いだ。

 計画とは、この地区を通る常磐自動車道の拡幅工事で汚染土を盛り土として再利用するというもの。環境省は市内の仮置き場にある汚染土1千立方メートルほどを道路拡幅の基礎に使い、その表面を汚染されていない土で覆うという計画を描く。

 役員会で計画を説明した羽倉行政区長の相良(さがら)繁広さん(67)に、「一度設置されたら汚染土はずっとそのまま置かれてしまう。最終処分と同じだ」「避難指示が解除されたのに若者が不安に思い、帰ってこなくなってしまう」「地震や大雨に見舞われたら、工事に使われた汚染土が流れる可能性がある」などと反対意見が噴出。出席した11人の全員一致で拒否の方針を決めた。相良さんは「安心、安全なふるさとで子どもたちを育てる。そんな環境を整えることが私たちの責務だ」と強調。これまでに約1200人分の署名が集まっているという。

 環境省福島地方環境事務所土壌再生利用推進室の百瀬嘉則室長は「引き続き内容や安全性を説明し、理解を得られるよう努力したい」としている。

 中間貯蔵施設については、県と…

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