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 和歌山県新宮市の文化複合施設の建設予定地にあり、中世川湊の遺構が次々と出土している新宮城下町遺跡で、新たに室町時代の倉庫群の跡が見つかった。2016年の調査や昨年12月の発掘でもそれぞれ倉庫群が発見されていて、太平洋や熊野川の水運の拠点として大規模な倉庫街が存在したことがうかがえるという。

 建設を前に発掘調査をしている市教育委員会と県文化財センターによると、旧丹鶴小学校敷地(下本町2丁目)の北側で見つかったのは約10棟の地下式倉庫。熊野川に近く、砂や砂利に覆われた一角だが、強固な石組みで一辺3~4メートルの倉庫を形作っていた。

 同じ室町時代の地層を掘り進めるなかで、長さ約30センチの小刀も出土した。さび付いてはいるものの刃先から柄まで完全な状態で残っていて、同センターの担当者は「県内で中世小刀の出土例がないわけではないが、ここまで立派なものはない」と驚いていた。

 市教委文化振興課(0735・23・3333)と同センターは3月2日午前9時半~午後4時に発掘作業の様子を公開する。特別に防塵(ぼうじん)シートを取り除いた丹鶴体育館前のフェンス越しに、誰でも自由に見学できる。午後1~2時には小刀などの出土品の展示会もある。(東孝司)