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 世界有数の紅茶の生産地として知られるインド北東部のアッサム州。ここで先月、150人以上が死亡し、10人以上が逮捕される事件が発生しました。「アッサムの悲劇」などと伝えられています。犠牲になったのは、密造酒を飲んだ茶摘みの女性らでした。なぜ、酒で命を落としたのでしょうか。インドの社会事情に詳しい大東文化大の篠田隆教授(インド社会経済研究)に尋ねました。

なにが起きたの?

 地元メディアによると、2月21日、アッサム州の女性4人が、「粗悪な」アルコール飲料を飲み、死亡しました。被害者はその後も増え、同月末までに、二つの地域で150人以上の死亡が確認されました。治療を受けた患者も数百人に上り、その多くが茶畑で働く作業員たちでした。

 篠田教授によると、インドは、飲酒をタブー視するイスラム教徒や、飲酒に抵抗感が強いヒンドゥー教徒がいる一方で、酒をたしなむ人も少なくありません。篠田教授は「いろんなストレスを抱えているひとが、リラックスする手段の一つとしてアルコールを飲みますが、インドの問題は、正規のアルコールが高価で、貧しい人たちには手が出ないことです。他方で、インドの闇マーケットで手に入る酒は極めて安い。それらは、販売してもうけようというひとたちが密造していると考えられます。販売業者は組織化されており、日本の『どぶろく』と同じように、自らたしなむために自宅で醸造するものではないのです」と話します。

インドのアルコール事情

 世界保健機関(WHO)によると、インドの1人当たりのアルコール摂取量は、2005年の2・4リットルから10年には4・3リットルとなり、16年は5・7リットルと増えています。ちなみに、16年の世界平均は6・4リットルで、日本は8・0リットルでした。また、インドで消費されるアルコールは、蒸留酒が92%、ビールが8%、ワインが1%です(四捨五入のため100%になりません)。ここでいう蒸留酒は、ウイスキーやラム酒を指し、よりアルコール度の高い酒が好まれていることがわかります。

 篠田教授は、「インドで密造酒をつくる業者は、少しでも安く、濃いお酒をつくるために、密造する際にメタノールを混ぜるのです。アッサムだけでなく、全土で行われています。日本でも戦後、失明したひとや死亡したひとがいましたよね」と話します。

 篠田教授が数年前にデリーの酒…

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