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 「毎月勤労統計」の不正調査を検証していた特別監察委員会が、追加報告書でも厚生労働省の組織的な関与や隠蔽(いんぺい)を認めなかった。ただ、どれだけ調査が尽くされたかには疑問が残された。調査手法変更への首相官邸の影響も検証せず、野党からは批判が相次ぎ、与野党の論戦が収まる気配はない。

 「担当職員らは統計数値上の問題はないととらえていた。意図的に隠したとは認められず、隠蔽(いんぺい)行為があったとは言えない」。特別監察委の樋口美雄委員長は27日の記者会見で、15年間に及んだ不正調査について、厚労省の隠蔽を個人によるものも含めて一切認めなかった。

 最大の注目点となっていたのは、2018年1月に厚労省が不正データを本来の数値に近づける「データ補正」を始めた経緯だ。不正を認識していた当時の担当室長が、不正を隠蔽する目的でこっそり始めた疑いがあった。これについては、室長が「統計として適切な復元処理をし、正確な統計を公表・提供するため」と考え、不正を隠蔽する意図はなかったとした。

 この室長は16年10月、総務省に対して「従業員500人以上の事業所については全数調査を継続」と、不正調査を伏せてうその内容を届け出た。総務省側と全数調査に関してやり取りする場面もあったが、「抽出調査をしていると説明すれば、これまでの不正の説明に窮するため、事実を正直に言えなかった」との趣旨の説明をしたという。

 ところが、この経緯についても「事実と異なる虚偽の申述。厳しく非難されるべきだ」としながら、隠蔽と認めなかった。さらに事務次官ら幹部職員の関与もなかったとして、組織的隠蔽を改めて否定した。

 1月公表の中間報告書に続き、今回も隠蔽が認められなかった背景には、そもそもどんな行為が隠蔽かの定義を、特別監察委が法解釈に沿って狭く定めていることがある。荒井史男委員長代理(元名古屋高裁長官)は会見で、「隠蔽は、積極的に隠す故意があるもの、かなり厳格な要件だ」と説明した。「真実を隠すことは隠蔽ではないか」との質問が相次いだが、荒井氏は「そこは評価、判断の問題だ」とはねつけた。

 再検証に追い込まれた特別監察…

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