特別監察委員長、厚労省の隠蔽否定 野党「お手盛りだ」

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 「毎月勤労統計」の不正調査問題で、厚生労働省の特別監察委員会の樋口美雄委員長は、28日の衆院予算委員会集中審議で追加報告書で組織的隠蔽(いんぺい)を認めなかった理由について、監察委が定義する隠蔽に当たらなかったとの見解を示した。野党は「お手盛り調査」と批判した。

 27日発表の追加報告書は、焦点となった厚労省の組織的隠蔽について担当室長らが総務省にうそをついたと認定。一方で担当者らが深刻な不正と捉えず、意図的に隠したとまでは認められないと結論づけた。

 樋口氏は「委員会で隠蔽行為は、法律違反や極めて不適切な行為を認識しながら意図的に隠そうとする行為と定義した」と説明。その上で「(厚労省の担当者らが)深刻な不正と捉えていたことは認められなかった。むしろその場しのぎの事務処理をしていた」と述べた。国民民主党原口一博氏は「虚偽は認定し、隠蔽していないとしている。矛盾だ」と指摘。「全く納得できない。お手盛り調査をやめませんか」と検証のやり直しを求めた。

 調査手法変更への首相官邸の影響について、原口氏は「国会で議論されているのは官邸の関与だが、報告がない」と監察委が検証しなかったことを批判した。樋口氏は「ローテーションサンプリング(部分入れ替え)方式の導入は統計法上きちんとした手続きを経ており、統計の専門的な視点からも合理性を欠いているとは言えない」と答弁した。

 また西村清彦統計委員長は、多忙のため西村氏が国会審議に協力できないとする文書を総務省が無断で作り配布した問題について「(文書は)スケジュールのやり取りをしている総務省の職員が私の気持ちをおもんぱかって書いたと聞いた」と述べた。原口氏に答えた。

 安倍晋三首相は追加報告書について「厚労省は今回の事案を真摯(しんし)に反省するとともに、指摘を重く受けとめ、信頼回復と再発防止に全力を挙げる必要がある」と答弁した。根本匠厚労相は「組織としてのガバナンスの欠如が厳しく指摘されている。私の職責は厚労省の統計の信頼回復や再発防止に向けて行動をとることだ」と述べた。

 自民党の大塚拓氏や公明党の中野洋昌氏の質問に答えた。