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 これまでテレビの衛星放送が中心だった「スカパー!」が今季、プロ野球全12球団の主催試合で動画配信のサービスを行う。一方、昨季は11球団だった「DAZN(ダゾーン)」は、減る見込み。セ・リーグ球団の配信権利をめぐる争いの結果、逆転現象が起きた。

 2月27日、スカパー!の運営会社スカパーJSATの小牧次郎専務は、熱っぽく語った。「テレビだけでなく他のデバイスでも、どこにいてもプロ野球を見られる利便性が、強く求められている時代。何が何でもと思い、実現させました」

 スカパー!の「プロ野球セット」(月額税抜き3685円)を契約すると、日テレジータスの巨人戦やJスポーツなど12チャンネルの中継映像が、テレビだけではなく、タブレット端末などでも見られる。昨年まで広島、阪神、巨人を除く9球団の主催試合を提供していたが、今年初めて全12球団を達成。関連アプリで選手名鑑や成績を確認できるなど、付加価値の充実にも、余念がない。

 一方、昨年ソフトバンク系の「スポナビライブ」を引き継いだDAZN。去年は巨人を除いた11球団の配信だったが、今年は2月末現在で、さらに二つ減り、現状は9球団での配信が確定している。広島の主催試合はJスポーツが独占配信することが決まり、ヤクルトとは現在も協議中だ。

 DAZNの強みは、価格とスポーツジャンルの広さ。税抜き月額1750円(NTTドコモの利用者は月980円)で、プロ野球だけではなく、大リーグやJリーグ、ボクシングなども楽しめる。テレビ放送と同じ映像を配信するスカパー!に対し、DAZNは権利元から映像だけを提供してもらい、実況や解説者は自前の場合もある。

 多めに値段を払って、専門的にプロ野球全体を網羅するか。安くて見られない球団があっても、他のスポーツまで手を広げるか。利用者のニーズによってコンテンツが選ばれる時代は、日本のプロ野球界にも及んでいる。(井上翔太)