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 東京都杉並区の肺がん検診で見落としが相次いだ問題で、再検査でがんと分かった70代男性が2月28日、検診を実施したクリニックを運営する社会医療法人・河北医療財団(同区)と区を相手取り、約1600万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。昨年10月にクリニックに賠償を申し入れたが拒否されたため、訴訟に踏み切ったという。

 訴状によると、男性は2017年8月の検診で「異常なし」と診断されたが、18年8月の再検査でステージ3と判明した。原告側は「見落としと病状の進行には因果関係がある」と指摘し、クリニックは注意義務、区は適切な検診態勢を整える義務に違反したと主張している。

 原告側弁護士によると、男性は病気で仕事を辞め、治療費の確保が難しい状況だという。提訴を受け、財団は「訴状が届いていないのでコメントできない」、区は「訴状を精査して対応を検討する」とした。(北沢拓也)