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 国史跡・青谷上寺地遺跡(鳥取市青谷町)で発掘された弥生時代後期とみられる人骨について、県が国立科学博物館や国立歴史民俗博物館と進めるDNA分析の経過報告が2日、鳥取市であった「とっとり弥生の王国シンポジウム」で発表された。昨年実施した母から引き継ぐミトコンドリアDNAの分析ではほぼ全員渡来人系だったが、父から引き継ぐY染色体からは縄文人系の配列がみられた。

 人骨のDNA分析研究班の代表である科博の篠田謙一副館長によると、父母から引き継ぐ核DNAを6人について分析した。その結果、男性5人、女性1人で、それぞれの遺伝的な違いは大きかった。男性特有のY染色体のDNA配列を調べると、縄文人系の配列が3タイプ確認された。核DNAの配列を現代の日本人や韓国人、中国人と比較すると、現代日本人のグループ内に位置した。

 歴博の藤尾慎一郎教授らが加わったパネル討論では、ミトコンドリアDNAと核DNAともに遺伝的に多様なことが注目された。藤尾教授は「弥生後半に朝鮮半島との交流がうかがえる土器の分布が北九州から山陰まで広がる」と指摘。篠田副館長は「当時、大陸と人的交流をしていたことを、DNAからうかがい知れるのかもしれない」と話した。(長崎緑子)