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 細長い風船を組み合わせて作ったバルーンドレスで、東京都府中市のバルーンデザイナー、神宮エミさん(33)が、18日(現地時間)に始まるカナダのファッションショーに挑む。子ども向けのプードルづくりから始めた風船アートが、国際的なショーに出展するファッションにまで高まった。

 ショーは北米大陸で2番目に大きいとされる「バンクーバーファッションウィーク」で、世界各地の新進気鋭のデザイナーらが集まる。新作のバルーンドレスを着たモデルが、ブランドデザイナーの服などと同じく、ランウェーを歩く。

 神宮さんは児童演劇団で、全国の小学校を回っていた。合間のアルバイトで風船作りをし、バルーンアートに魅せられた。最初は子どものためにプードルや花を作っていたが、バルーンアートのコンテストがあることを知り、風船でドレスに挑戦した。その作品で2014年、初めて参加した全国大会で優勝した。

 海外にも飛び出し、15年の全米大会で準優勝。日本らしい扇子型や花魁(おいらん)の着物風のドレスで「見たことがないデザインだ」と評判だった。18年1月の全米大会ではついに優勝した。

 次はファッション業界で勝負したいと考えて昨年、有名なファッションウィークを催す米国・ニューヨーク、パリ、ロンドン、イタリア・ミラノを回った。それぞれのショー会場の外で、バルーンドレスを着せたモデルを歩かせ、ポーズを取らせた。ニューヨークでは地下鉄に乗せた。

 「怒られたらしょうがない。とにかく、やっちゃえ。見てもらったら面白いと感じてもらえるはず」

 神宮さんの狙い通り、ファッションに目が肥えた人らはバルーンドレスに驚き、拍手をくれた。写真を撮ろうという写真家も集まった。その行動が評判を呼び、今回のショーへの正式招待につながった。

 ドレスは細長い風船を約500~600本組み合わせて作る。風船に絵の具を入れて色を出す。1着作るのに12時間以上かかるのに数日たつとしぼむ。そのはかなさも魅力という。

 神宮さんは「憧れの舞台に挑戦できて、とてもうれしい。爪痕を残したい。びっくりして、喜ぶ人たちの笑顔が見たい」と本番を前に話した。(平岡妙子)