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 自殺対策強化月間の3月に合わせ、愛知県豊橋市がポスターをつくった。健康増進課と豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)が協力。つらいときは、ただ動物たちを眺めて自分の心をやわらかくしてほしい。その思いを短いコピーに込める。「だめになりそうなときは きっと ここにおいでよ」

 市の自殺対策会議メンバーに滝川直史園長が加わったことがきっかけだった。各部署でできることを、と考えたとき、園の動物たちの力を借りることができるのではと思った。

 滝川さんは、好きな動物の前でたたずみ、少しだけ元気になって帰っていく来園者の姿を見てきたという。「『動物たちは何も言わないけれど、寄り添ってくれている気がする』と話す方もいた。どこへ行けばいいのかわからなくなった時に立ち寄れる場所になるのではないか。それも動物園の新しい役割なのでは、と考えた」と話す。

 ポスターに使う写真を探していたところ、ツイッターに投稿されているライオンの写真に目が留まった。雌のオトと雄のハヤテが寄り添う一枚。ライオン舎の前で張り込み、撮影した常連来園者の山本亘さんに話しかけ、使用許可を取った。「山本さんは、週末に訪れては、ずっとライオンの姿を狙っているそうです。その粘りとライオンへの愛情がもたらした一枚。園の職員にも撮れない写真です」

 1年半前、夏休みが終わる直前に「もし逃げ場がなければ、動物園にいらっしゃい」と呼びかけた上野動物園(東京)のツイッター投稿が話題になった。滝川さんも当時、この呼びかけに共感したという。「のんほいパークも、悩んでいる人に使ってもらえる施設にしたい」と話す。

 相談先の電話番号を掲載したポスターは1千枚つくった。市内の公共施設や企業、学校などに掲示する。

相談先は

 「あいちこころほっとライン365」(052・951・2881、午前9時~午後4時半)、「子どもSOSほっとライン24」(0120・0・78310、24時間受付)など相談先は複数ある。文部科学省のホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm別ウインドウで開きます)では、こどものSOS相談窓口を紹介している。(宮沢崇志)