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 海に面していない古座川町は、南海トラフ地震の際に川をさかのぼってくる津波に備え、新年度に津波避難施設を建設する。これまでも山際の高台などを避難場所に指定してきたが、住民が確実に避難できるように津波を想定した初めての建物を造ることにした。

 古座川町の高池下部地区は、清流古座川に沿って住宅が立ち並ぶ地域。河口からの距離は2キロ弱で、南海トラフ巨大地震が起きれば、川をさかのぼる津波によって1~3メートル程度、浸水すると想定されている。町は集落から山へ通じる避難路を整備してきたが、高齢者や体が不自由な人には歩きにくく、「(雨の時期と重なった場合に)土砂災害で崩壊の恐れもある」(西前啓市町長)という不安材料を抱えていた。

 新設する建物は2階建てで、2階部分で4・6メートル、屋上で8・4メートルの高さがある。260人の住民が一時避難場所として津波をやり過ごすことができる。

 一般会計規模が30億円前後の町にあって、当初予算案に計上した事業費は3億円。国の補助金や起債で充当する予定だ。(東孝司)