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 ベトナムでの米朝首脳会談を終え、帰途についた金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を乗せた特別列車は4日午後10時半ごろ、中朝国境を越えて北朝鮮に戻った。中国の指導部との会談や経済視察はなく、最短ルートでの帰国になったとみられる。

 特別列車は2日午後にベトナムから中国に入り、往路と同じルートを北上。4日朝に天津を通過し、夜には中朝国境の街・遼寧省丹東でいったん停車した。

 帰国の途中で習近平(シーチンピン)国家主席と会談し、米朝会談の結果について話し合うとの観測も出たが、北京には立ち寄らず、高官と会ったとの情報もない。また、広州などの経済開発区や、正恩氏の祖父の金日成(キムイルソン)主席が1958年のベトナム訪問時に立ち寄った武漢などでの視察もなかった模様だ。

 一方、中国当局は特別列車の通過に対して往路以上に厳重な警戒態勢をとった。天津など主要都市の一部では、SNS上に投稿された特別列車が通過する時間帯の道路の封鎖に関する情報がすぐに削除された。

 韓国メディアによると、ホームでたばこを吸う正恩氏の姿が日本のテレビ局に撮影された南部の南寧駅では、目隠しの新たなフェンスが設置された。同じく駅のホームで正恩氏の姿がとらえられた丹東では、周辺のマンションなどに外国人を見かけた場合は通報するよう貼り紙がされた。(北京=平井良和)