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 5日開幕する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に4日、全人代の張業遂(チャンイエソイ)報道官が記者会見した。中国企業や個人に諜報(ちょうほう)活動への協力を義務づける中国の「国家情報法」に欧米が懸念を深めていることについて、「中国企業に現地の法律に違反する活動を求めたことも求めることもない」と述べた。

 国家情報法は2017年に全人代を通過し、制定された。中国通信機器大手華為技術(ファーウェイ)をめぐる対立などで、中国企業と中国政府の協力関係を裏付ける法律として米国などで問題視されてきた。

 張氏は国家情報法は「他国の安全保障上の利益を損ねる狙いはない」と主張。そのうえで「米政府関係者が国家情報法を持ち出して特定の中国企業の製品に安全保障上のリスクがあると誇張するのは、政治的手段で経済活動に干渉するものだ」と反論した。

 ただ、張氏は米中関係について「衝突は双方のいかなる利益にもそぐわない。グローバル化を背景にした新たな問題は冷戦思考では解決できない」と述べ、3月中にも予定される米中首脳会談で、「双方に利がある合意を得たい」とした。

 通商協議で米国側は、中国による知的財産権の保護の強化を強く求めている。今回の全人代で審議する外商投資法案について、張氏は「外国投資家が関心を持つ知財保護や技術移転の問題について明確に保護する規定がある」と強調した。

 また、2回目の米朝首脳会談について張氏は「双方が意思疎通を深め、対話を継続すると表明した。我々は今回の会談は建設的だったと考えている」とした。

 今回の全人代は、米中通商紛争などを背景に、中国経済の減速感が強まるなかで開幕する。政府活動報告では、19年の成長率目標は前年の6・5%前後から引き下げられるとみられる。景気のてこ入れ策や、米国との交渉カードにもなりうる外商投資法案の審議などが焦点となる。(北京=福田直之、冨名腰隆)