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 福祉の現場にアートを――。東京芸術大学(東京都台東区)がこんな試みを進めている。福祉と芸術の基礎が一緒に学べる講座を始め、修了生は施設に入ってお年寄りと生活する。介護の職員とは違った立場でかかわることで、新たな交流が生まれている。

 東京都足立区のサービス付き高齢者向け住宅「そんぽの家S王子神谷」には、2人の「アーティスト」が約70人の高齢者と一緒に暮らしている。東京芸大4年の垣内晴(はる)さん(22)と、介護福祉士の横田紗世さん(38)だ。平日は食堂の一角に手作りの「カフェ」を設け、入居者にコーヒーを出している。

 ある日の午後、入居者の女性(93)がやってきた。コーヒーを手に、つぶやくように話す。「私はただ夢中で生きてきたの。悲しいことも多いし、長生きしていいのか悪いのか。でも、がんばって生きています」。垣内さんは耳を傾け、「こうやって知り合えて、お話しできるのがうれしいです」と語りかけた。女性に笑顔が広がった。

 垣内さんと横田さんは、東京芸…

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