【動画】特別背任事件でも鋭く主張が対立するカルロス・ゴーン氏と東京地検特捜部。構図をわかりやすく解説
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 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された事件で、東京地裁は5日、前会長の保釈を認める決定を出した。保釈保証金は計10億円。前会長の保釈請求はこれまで2回退けられていたが、弁護人が弘中惇一郎弁護士らに一新した後、2月28日に3回目の請求が出されていた。検察側は決定を不服として準抗告するとみられるが、これが退けられ、前会長が保証金を納付すれば、近く東京拘置所から保釈される見通しだ。

 前会長は一貫して起訴内容を否認。身柄拘束は昨年11月19日に逮捕されてから100日以上に及ぶ。東京地検特捜部の事件で否認のまま、裁判の争点や証拠を絞り込む公判前整理手続き前に保釈されるのは極めて異例だ。

 ゴーン前会長の弁護側は保釈の条件として、監視カメラによる監視などを提案していた。関係者によると、5日の地裁の保釈許可決定でも、前会長の住まいへの監視カメラの設置が条件とされたという。住居は国内で、海外渡航禁止という条件もついたという。

 ゴーン前会長は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)と特別背任の罪で起訴されており、保証金の内訳は金商法違反に対して2億円、特別背任に対して8億円。地裁は、証拠隠滅の恐れは少ないと判断したとみられる。

 特捜部は今年1月11日、ゴーン前会長を特別背任と有報の虚偽記載の罪で追起訴した。弁護人は同日、保釈を請求したが、地裁が却下。保釈後にフランスなどに住む条件を提示したが、地裁は証拠隠滅や逃亡の恐れがあると判断したとみられる。弁護人は1月18日、再び保釈を請求し、保釈後の住居を日本国内に変更するなどしたが、これも却下された。

 前会長の弁護人は11月の逮捕後、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が務めていたが、2月13日付で辞任。弘中氏らが新たに就任し、3度目の保釈請求をしていた。

 ゴーン前会長は2008年10月、約18億5千万円の評価損が生じた私的な投資契約を日産に付け替えたほか、信用保証に協力したサウジアラビアの実業家に日産の子会社から09年6月~12年3月、4回にわたり計1470万ドル(当時のレートで約13億円)を不正に送金したとして起訴された。また10~17年度の役員報酬計約91億円分を過少記載したとされる。

 有報の虚偽記載の罪で起訴された日産前代表取締役のグレッグ・ケリー被告(62)は昨年12月25日、すでに保釈されている。