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 子どもに対する虐待が後を絶たない。昨年度、県内で虐待の通告・相談件数は1651件と過去最多だった。子を足蹴りしたりテレビのリモコンを投げつけたりしたとして、今年に入ってからも、少なくとも父親と母親計5人が相次ぎ傷害容疑で逮捕された。どうすれば子どもを守れるのか。3人の専門家に聞いた。

「親がSOS出せるように」鹿児島国際大・岩井浩英教授

 虐待はどの家庭でも起こりえる。最初から子どもを傷つけようと考える親はほとんどいない。一生懸命子育てをする中で、仕事の疲れや夫婦関係などささいなストレスから「つい子に八つ当たりしてしまった」という経験は多いのではないだろうか。

 大切なのは、虐待がエスカレートする前に親がSOSを出せるか。そのサインに周囲が気づけるかだと思う。

 虐待の相談、通報は児童相談所(児相)や市町村、都道府県が受ける。相談体制自体は整いつつあるのに活用し切れていない。

 例えば、鹿児島市では、担当課の窓口相談だけではなく、保健師が新生児のいる家庭を訪問したり、小中学校のスクールソーシャルワーカーが家庭訪問したりする制度があり、行政側が家庭の中に入ってSOSをキャッチする機会がたくさんある。職員の意識づけで気づくことができる。

 各機関の連携も課題だ。情報共有をする際、一方的に引き継ぐ「申し送り型」が多くなりがちだが、各機関が参加する「協働型」にすべきだ。市町村には、児相や警察などの関係者と情報共有をはかる「要保護児童対策地域協議会」も設置されており、この役割が大きくなっている。

 地域の民生委員や住民に、ささいな異変でも連絡をお願いすることも大切だ。見渡せば相談できる場所がたくさんある。市町村がかじ取り役となり、「安心してSOSを出して良いんだ」と思ってもらえる、地域と連携した環境づくりが必要だろう。(聞き手・加藤美帆)

    ◇

 1961年、大阪市出身。神戸大院卒。専門は子ども家庭福祉学。県広域スクールソーシャルワーカー。鹿児島市独自の児相設置に向けた市検討委員会の会長を務め、提言書をまとめた。

■「保護した子の養育環境も整備…

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