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「トランプ王国」熱狂のあと 3年後のラストベルト:4

 ペンシルベニア州ルザーン郡を出発し、西へ車を走らせていると、携帯電話が鳴った。

 「こちらルザーン郡のジョン、民主党委員長です。昨日、名刺をドアに残してくれましたね? あなたのお名前をきちんと発音できているとは思えないのですが、ラウチ(リュウイチ)さん、ですか?」

 まさか委員長のジョン・ペカロフスキから折り返しの電話が入るとは期待していなかった。前日のバーに入る前、インターネット検索で調べて委員長宅に立ち寄り、不在だったのでメッセージを書き込んだ名刺をドアに残しておいた。(共和党委員長宅は見つけられなかった)

 ハイ、日本のアサヒシンブンという新聞社のNY特派員です。ルザーン郡の政治についてインタビューさせてください。いまロードトリップ中です

 名刺の余白にそんなメッセージを書いて、ドアに挟んでおいた。このような名刺をポストに入れる、車のワイパーに挟むという手法は、新聞記者になって以来、日本でも繰り返してきたが、今回はほとんど期待していなかった。年末だし、そもそもアサヒシンブンを知らないだろうし。ところが電話をくれた。

 「午後4時までに事務所に来てもらえれば、取材に応じますよ。え? 日本のメディアでもいいかって? どこの報道機関でもウェルカムですよ」

 引き返そう。既に1時間半は西へ運転してしまっていたが、最寄りの出口で高速道を降り、東行きの道でルザーン郡に戻った。それにしても、この国の人々は、海外メディアの取材にも開かれている。赴任5年目に入ったが、これには感謝するばかりだ。

 委員長は、自動車保険の営業事務所に勤めるサラリーマンだった。2大政党の「委員長」と聞くと、私も当初はちょうネクタイでもした、近寄りがたい人が出てくるのかと勘違いしていたが、実際はボランティア(無給)で委員長職を引き受けている、気さくで政治好きな人が多い。彼の自宅は人口4千人ほど、白人の割合が95%の町にあった。

 本稿では、あの大統領選でトランプにひっくり返されて敗北したルザーン郡の民主党トップとのインタビューをお伝えする。あの大統領選、2018年の中間選挙を振り返り、2020年を語ってもらった。

アメリカ大統領選挙で巻き起こった「トランプ旋風」の実態を取材しつづけてきた金成隆一記者が、ふたたびラストベルト(さび付いた工業地帯)を集中的に取材しました。全6回、有料会員限定です。

崩れた民主党の防火壁

 ペンシルベニア州の位置づけも…

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