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 漁師たちに愛されている漁業用ロープカッターで日本一のシェアを誇る関菊水刃物(岐阜県関市)が、災害時に役立つ「復旧ナイフ」を売り出した。特殊性のある小さな市場で培った切れ味を、災害復旧現場で生かしてもらおうという試みだ。

 「普通の刃物では全く切れないロープもこれなら切れる」。刃渡り約20センチ。一見普通の刃物を使い、吉田浩淳社長(58)は直径4センチのロープをいとも簡単に切ってみせた。大きいギザギザの刃の中に、さらに小さいギザギザを入れたオリジナルの形状が切れ味のミソだという。

 復旧ナイフを思いついたきっかけは、東日本大震災だった。震災後、注文が殺到。関菊水の切れ味を知っていた東北の漁師たちが、津波をかぶったカーペットを切断するなど災害現場で出たゴミの処理に使っていると伝え聞いた。

 漁業の現場は、刃物には過酷な環境だ。さびなど刃を劣化させる水分や塩分の影響が避けられない。硬いものと軟らかいものを一緒に切らねばならない難しさもある。海に長時間つかった硬いロープ、網に絡まった海藻や釣り糸、ゴミも一緒に切ることを求められる作業は、災害復旧のゴミ処理と通じる部分があった。

 1980年代、円高の影響でダ…

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