京都で最古の花街(かがい)・上七軒(かみしちけん)。その歴史は学問の神様、菅原道真をまつる北野天満宮を抜きには語れない。分かちがたい両者の絆を改めて感じさせる場が、北野天満宮で催される梅花祭(ばいかさい)だ。

 2月25日。本殿に向かって延びる参道にはたくさんの露店が並び、うららかな陽気に誘われた観光客や地元の人たちでにぎわっていた。

 「天神さん」の名で親しまれる北野天満宮(京都市上京区)は、国内きっての梅の名所だ。約6万6千平方メートルに及ぶ境内に50種、約1500本の紅梅や白梅が咲き誇る。楼門の入り口で、有名な道真の和歌が目に入った。

 〈東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春を忘るな〉

 901年、道真がいまの福岡県太宰府市に左遷された際、自邸の梅との別れを惜しんで詠んだとされる。ことのほか梅をめでた道真の命日に、毎年行われる梅花祭。その歴史は少なくとも900年以上続き、年に150を超す北野天満宮の祭事の中で、最も重要な神事のひとつという。

 午前10時。白装束の神職らが「大飯(おおばん)」「小飯(こばん)」と呼ばれる山盛りのお米を神前に捧げた。この日のために特別に用意されたお供えものだ。続いて、中に玄米が入った筒状の和紙に挿された白梅の枝が42本、紅梅が33本。こちらは「紙立(こうだて)」と呼ばれ、本数は男女の厄年と同じ。玄米は、炊いて食べると厄よけになると伝わる。

 ただ、一般の参拝客は、本殿で50分近く厳かに続く神事を直接見ることはできない。むしろ、訪れる人の多くにとって梅花祭とは、「芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)が点(た)てたお茶を味わえる日」かもしれない。

    ◇

 神事が始まったころ、テントや長いすが用意された紅梅殿前の庭に、長い列ができていた。

このあと、芸妓さんや舞妓さんがお茶をふるまって参拝客をもてなす様子を動画で紹介します。

 梅花祭に合わせて「野点(のだ…

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