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 原発問題については発言を控えて――。広島市の「被爆体験伝承者養成事業」に参加し、被爆者の体験や思いを県内外に伝える活動に取り組む伝承者たちに、市側がそんな要請をしているケースがある。市担当者は「様々な意見がある問題だから」と説明するが、当事者は「議論を避けるのはおかしい」と憤る。

 ある伝承者は2年前、伝承講話で使う原稿を書いた後、市の担当職員に一部書き直しを求められた。

 「原子力発電用の原子炉は、事故や軍事目的への転用が世界的に危ぶまれています」「核は、人間の手でコントロールできない」など、原発について述べた部分を削ってほしいという。

 被爆者の体験を述べた後、伝承者としての自分の意見を述べる、と前置きした上で書いた文章。理由を聞くと、担当者の説明は「いろんな立場やいろんな考えの人がいる」だった。

 活動を通じ、多くの被爆者たちから体験や、核廃絶への思いを直接聞いてきた。福島原発事故を案じる人、「原子力の平和利用」を否定しなかったことを後悔する人。「被爆者たちは、70年以上前の昔話をしているのではないんだ」

 彼らが「核と人類は共存できない」と訴えるとき、それは核兵器のことだけを言っているのではないと理解した。なぜだめなのか。仲間に疑問をはき出すと、数人は「面倒だから最初から原発について書いていない」と言ったという。

 別の伝承者は言う。「放射線被…

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