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 灘に開成、早稲田や聖光学院も。私立の難関男子校の授業や入試に、変化の兆しが出ている。将来、日本のリーダー層になりうる生徒たちが、女性と対等なパートナーとして、仕事をしたり家庭を築いたりできるように。そんな狙いで、各校が取り組んでいることとは――。

 「ほとんど味がしない」「不思議な感覚」

 1月、早稲田中・高校(東京都新宿区)であった離乳食の試食会。授業後、生徒たちはそんな感想を寄せた。

 同校では調理実習を数多く行い、5年以上前からは食育の観点から、高2の家庭科の授業で生徒に離乳食を食べる体験をさせている。月齢別に3種類用意。量の違いや食塩相当量などを調べると、生徒たちは口にした離乳食の味や食感、風味などをプリントに書き留めた。村田玲子先生(50)は「子育てに関する経験や知識があれば、将来、育児に前向きに関わる父親になれる」と狙いを語る。

 試食には、市販の離乳食を使う。女子校でも教えたことがある村田先生は「ストレスを抱えてまで手作りにこだわる必要はない」と女子生徒に伝えてきた。「もし妻が市販品を使っても『手抜きだ』と責める夫になってほしくない。男子生徒にも伝える必要性を感じた。ともに子育てできる関係を築いてほしい」

 同校の鈴木正徳教頭(50)は「結婚したら、互いを尊重し、助け合っていくことが大事。授業を通じて伝わるのではないか」と話す。

 灘中・高校(神戸市東灘区)では4年前から中学1年で、昨年は初めて高校3年で「赤ちゃん教室」を開いた。担当するのは片田孫(かただそん)朝日先生(42)と池田拓也先生(42)だ。

 社会科の授業の一環で、NPO法人ママの働き方応援隊(神戸市長田区)とともに開く。昨年10月の高3の授業では、7人の赤ちゃんがやってきた。受講する生徒29人は一緒に遊んだり、抱っこしたり。片田孫先生は「癒やされるけど、一人で世話をするとしんどい。そんなことを早い年代で知ることで、将来育休を取ろうかと思えたり、妻が中心に育児を担うにしても、その大変さに思いをはせたりできるのでは」。

 赤ちゃんの中には、同校の教員の子もおり、「パパ」と言いながら駆け寄る姿も。生徒は、親でもあり教員でもある男性の姿に触れた。

 赤ちゃん教室の次の授業では、同校の男性教員2人が妻とともに登場。教員が子育て、妻がキャリアについて語り、議論した。

 片田孫先生によると、生徒の母親の専業主婦率は高めで、同校の教員はほとんどが男性。フルタイムで働く女性を間近で見ている生徒は少数派で、「身近な先生をモデルに、仕事をする女性を肯定的に見る経験を、と考えた」という。

 和田孫博(まごひろ)校長(66)は「一人っ子が増え、幼子と接する経験も少なくなっている。共働き家庭も増え、男性だから育児をしないという時代ではない。これからの男性に必要な経験だ」と話す。

入試問題にも変化

 いま政治や経済などの分野で意思決定の場にいるのは、男性が圧倒的に多い。その「卵たち」の価値観は、日本の男女格差(ジェンダーギャップ)を縮めていくうえで、重要な鍵を握っている。多様な価値観を育てようとする姿勢は、入試問題にも表れている。

 聖光学院中学校(横浜市)は、…

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