【アーカイブ動画】大阪でダブル選へ 松井氏・吉村氏が会見=宮崎勇作、吉川喬撮影
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 大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表)と大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長)が8日夕、大阪市中央区の維新本部で記者会見した。

 両氏はこの日、会見に先立って、府・市議会の各議長に辞職届を提出。会見では、4月7日投開票のダブル選に向けて、互いに知事・市長を入れ替えて立候補する考えを表明した。松井氏は「今回(知事・市長候補を)クロスして、4月の統一地方選と知事・市長選を同日に行う判断をした」と説明。「(大阪都構想実現を公約に掲げて)本当に素直に、もう一度戦いたいという思いだ」と語った。

 吉村氏は都構想の是非を問う住民投票の実施時期をめぐって公明党との交渉が決裂したことについて、「公明にだまされたまま終わるなら、死んでも死にきれない」と述べた。

 記者から、今回の首長選に大義があるのかと問われると、松井氏は「一丁目一番地の政策をあきらめるのは、府民・市民を裏切ることになる。我々なりに大義がある戦いと決断した」と反論した。吉村氏は「どうしても越えられない壁が出てきた時、有権者に信を問うのも民主主義だと思う」と語った。

 大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表)と大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長)が8日夜、大阪市中央区の維新本部で記者会見を開き、任期途中で辞職したうえでダブル選に知事と市長の候補を入れ替えて立候補することを正式表明した。会見の詳しいやりとりは次の通り。

 松井氏 本日、大阪府議会議長に対し、3月20日付で知事を辞職したいと報告した。

 僕と市長は2015年11月のダブル選で、大阪都構想についてもう一度、住民の皆さんに判断いただくことを政策の「一丁目一番地」として立候補した。その公約を成し遂げるために公明党と協議してきたが、(府と市の)法定協議会で協議を完成させることが無理な状況に追い込まれた。

 我々が都構想の住民投票をあきらめることは、15年の選挙で約束したことをたがえることになる。もう一度、住民の皆さんに判断いただく。この公約を守り切りたいという思いだ。

 吉村氏 本日、辞職届を議長に提出した。3年半前に都構想を掲げて市長に当選した。知事と二人三脚で2025年開催の大阪・関西万博の誘致を実現できた。約9割の公約を実現できたが、どうしても実現できない公約がある。都構想だ。このまま終わるのでは、皆さんにも自分自身にも説明できない。選挙でもう一度、皆さんの信を問うべきだと決断した。

 ――ダブル選を統一地方選と同日にする狙いは。

 松井氏 選挙を盛り上げ、府民、市民の皆さんに関心を持っていただく。皆さんが選挙に参加をすることで世の中は変わるんですよというメッセージを伝えたいと思っている。

 ――松井氏が市長選に、吉村氏が知事選に、入れ替わって立候補する狙いは。

 松井氏 維新は税金の使い方をシビアにチェックしてきた。知事、市長のポジションそのままでの出直しになると、公職選挙法の規定上、11月にもう一度、知事・市長選を実施しなければならない。1年間に2度も知事・市長選をやることになる。(入れ替わることで)税金の支出は抑えられる。

 僕と吉村市長、橋下徹・前市長は、府市一体で行政を動かしてきた。それぞれの役所の仕事にどちらも関与しながら動かしてきた経緯がある。知事と市長が替わっても、今の府庁、市役所の取り組んでいることが大きく変わることはない。

 吉村氏 府と市が同じ方向を向けば大阪は成長する。市役所をよく知っている僕が府庁で力を出す。府庁をよく知っている知事が市役所で力を発揮する。

 ――府議選、市議選の目標議席数は。

 松井氏 府議会、市議会で現状の議席以上、過半数を目指して戦う。過半数をいただければ、都構想の住民投票まで可能になる。

 吉村氏 自民、共産、公明すべてが都構想に反対。都構想は議会の過半数の同意がないと進められない。非常に厳しいが、府議会も市議会も過半数を目指して戦う。

 ――今の率直な心境は。

 松井氏 このままひよってしまい、ぶれてしまえば、将来必ず後悔する。本当に素直に、もう一度戦いたいという思いだ。

 吉村氏 今まで迷うこともあったが、腹をくくって吹っ切れたのが今の心境だ。

 ――今回のダブル選に大義はあるか。

 松井氏 一丁目一番地の政策をあきらめるのは、府民、市民を裏切ることになる。都構想を実現するために必要なのは、議会の議席だ。4月に府議選、市議選が行われるのだから、先頭に立って戦いに挑むのは大義があると思っている。

 吉村氏 どうしても越えられない壁ができたとき、有権者に信を問うのも民主主義だと思う。市民、府民に判断をいただく。当然、大義がある。

 ――松井氏は市長選、吉村氏は知事選で当選したら何をしたいか。

 松井氏 第一にやりたいのは、児童虐待の根絶だ。施設も組織も拡充しなければならない。

 吉村氏 万博の成功だ。知事としてやるべきなのは大阪の成長を実現させること。市町村長ではできないことに力を入れていく。

 ――任期途中で辞職するのは、党利党略や職責放棄ではないか。

 松井氏 (知事としての)公約は9割方果たしたと思っている。残っている一番大きなものは都構想。これをやりきりたいと思い、住民に判断を仰ぐ。

 吉村氏 財政の立て直しや地下鉄の民営化など、掲げたことのほぼ9割は達成できたと思う。できなかったのは都構想の再挑戦。もう一度都構想を問うというのが政治家としてあるべき姿だと思う。

 ――なぜそこまで都構想にこだわるのか。

 松井氏 僕は大阪で55年生きてきて、大阪中心にビジネスもしてきた。昔の「府市あわせ(不幸せ)」と言われる時代の閉塞(へいそく)感、将来への不安みたいのがある。大阪はポテンシャルが高いのに、知事と市長のどちらがトップか分からない。そういう時代に戻りたくない。だから都構想にこだわる。

 吉村氏 大阪府の職員と大阪市の職員は今でもなかなか交われない。今は(松井氏との)人と人の関係で何とかうまくいっているが、すぐにひっくりかえる。古い大阪に戻ってしまう。それを制度的に変えていこうというのが、僕らのこだわるところだ。

 ――住民投票の実施時期の目標は。

 松井氏 選挙で負託いただければ、4年間の任期で成し遂げたい。

 ――2度目の住民投票が行われて否決された場合、本当にそれが最後になるのか?

 松井氏 最後になります、住民投票は。僕の世代は最後です。

 吉村氏 もしもう一度住民投票をやって、それでも違うとなれば、(大阪市を廃止せずに区の権限を拡充する)総合区に移行する。次の住民投票が最後だという覚悟でやっている。

 ――次期衆院選で公明の選挙区に維新の対立候補を立てるのか。

 松井氏 我々は今まで公明との協議の中で、関西の小選挙区で直接対決は避けてきた。2017年の総選挙でも、我々は候補を立てないだけでなく(公明の候補を)応援もしてきた。全面対決になったら、我々が遠慮するところは必要なくなる。

 ――橋下氏が選挙の応援に来る予定はあるか。応援してほしいか。

 松井氏 橋下氏とは維新を立ち上げて以降、一緒にやってきた仲間として付き合っている。仲間だからこそ、彼の生活は邪魔しちゃいけないと思っている。彼の私人としての行動を阻害するようなことはしない。