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(10日、スピードスケートW杯)

 豊かな才能を存分に発揮し、最速タイムを刻んだ。高木美は女子1500メートルで従来の記録を1秒以上も更新した。女子で初めて1分50秒の壁を突き抜け、世界新記録を確認すると思い切り両腕を突き上げた。「一つのレースに力を出し切れた」と自賛する最高の滑りだった。

 世界記録が続出する高速リンクで攻めに攻めた。「いつもはブレーキをかけていた部分で殻を破ろう」と最初の300メートルを全体2番目の24秒7で通過。中盤以降の粘りを生かす本来のパターンを変え、ラップタイムの落ち幅はいつもより大きかったものの、序盤でつくったスピードが驚異の記録に導いた。

 前夜のミーティングで1分49秒台を狙うプランを固めた。デビット・ヘッドコーチから「不可能はない」と背中を押され「難しいことにとらわれず、前を向けた」。集中力を研ぎ澄まし、自信を胸に氷に上がった。

 前週までの世界スプリント選手権と世界選手権の連戦などハードな日程に挑んだシーズンの締めくくり。24歳のエースが全てを尽くして最高の結果をつかんだ。世界屈指のオールラウンダーが単種目の勲章を手に入れ、なお先を見る。「満足しているわけではない。もっとできることはある。また追求していきたい」(共同)