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 開幕した第91回選抜高校野球大会に、山梨学院が5年ぶりに出場した。夏も含めると11回目の甲子園。選手たちは実戦的な練習で最終調整を重ね、学校として成し遂げていない「聖地での2勝以上」に挑む。

 2月末、甲府市砂田町のグラウンドに選手の声が響いた。ダイヤモンドに散らばり、塁間でボール回し。捕球すると体をくるっと一回転させ、次の塁を見て素早く送球。試合では、守備は打球に反応して動く。余計な動きを加え、リズムが崩れても正確に送球できるよう鍛える狙いだ。

 最後の公式戦だった昨秋の関東大会から約5カ月。「実戦感覚を失わないことが課題。そのためにボールを投げる練習はとにかくやってきた」と吉田洸二監督(49)は話す。

 打撃も同じだ。無死一塁や無死一、二塁など場面を設定し、投手を立てて生きた球を打たせる。守備がバントを警戒していれば打ち、前進守備でなければ転がして好機を広げる。

 とくに時間をかけたのが送りバントの練習だ。地方大会を戦った直後に迎える夏の甲子園と違い、実戦から離れてしまう春は得点が少なくなるという。重要になるのが送りバント。転がす方向にこだわり、練習を繰り返した。

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 「『勝ってやろう』というモチベーションは高まっている」と相沢利俊主将は話す。野村健太、菅野秀斗両選手とともに昨夏、2年生として甲子園を経験。3人が打線の中心だ。

 プロ野球・中日入りしたエース垣越建伸投手を擁した昨夏は12―14で初戦敗退。新チームが始動し、最初の目標は秋の山梨県大会の制覇だった。関東大会は甲府市で開かれ、優勝すれば1勝で4強入りの「シード」となり、選抜出場が近づくからだ。しかし、決勝で東海大甲府に2―5で敗れた。「勝たなければ」という思いが重圧になり、チームの明るい雰囲気は失われた。

 敗戦を転機にしようと、昨年8月から臨時コーチに招いた元横浜高校の野球部長、小倉清一郎さんの指導で打撃フォームを改良したり、守備陣形を見直したりしながら、試合を楽しむ雰囲気を大切にしてきた。

 関東大会では、左の技巧派の相沢、本格派左腕の駒井祐亮(2年)、制球力のある右横手投げの佐藤裕士(同)の3投手を起用。3試合いずれも2失点以内と安定した継投を見せ、守備陣も好プレーでもり立てた。4強入りで選抜出場を確実にした。

 冬には吉田監督の故郷・長崎で合宿をした。数百段あるという峠の石段を数十回往復する恒例のトレーニングを実施。相沢主将は「仲間と声をかけ合い、みんなで乗り越えた。チームの結束力が高まった。甲子園という舞台を楽しみたい」と意気込む。(野口憲太)

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