【動画】退位することと、その期日を報告する「奉告の儀」に臨む天皇陛下=宮内庁提供(音声はありません)

 天皇陛下が、4月30日に退位することを皇居・宮中三殿に報告する祭祀(さいし)「奉告(ほうこく)の儀」が12日午前、執り行われた。陛下の退位に向けた一連の儀式の始まりで、4月30日の国事行為「退位礼正殿(せいでん)の儀」まで9の儀式が行われる。

 この日の祭祀は午前10時ごろに開始。天皇陛下は、「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」という天皇のみが身につける束帯をまとい、厳かな表情で、皇祖とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる賢所(かしこどころ)の回廊を進んだ。賢所の内陣では、退位することと、その期日が4月30日であることを報告する「御告文(おつげぶみ)」を読み上げた。歴代天皇と皇族がまつられている皇霊殿、国中の神々がまつられている神殿でも同様の御告文を読み上げた。

 皇太子さまも「黄丹袍(おうにのほう)」という束帯姿で拝礼。秋篠宮ご夫妻をはじめ皇族8方も拝礼した。皇后さまは持病の「頸椎(けいつい)症性神経根症」のため、お住まいの御所で遥拝(ようはい)したという。

 午後には天皇陛下が、伊勢神宮や初代とされる神武天皇、孝明、明治、大正、昭和の各天皇の陵(みささぎ)(墓)に使いを派遣する「勅使(ちょくし)発遣(はっけん)の儀」も御所で行われる。

 天皇の退位は、憲政史上初めて。宮内庁は平成の即位の儀式や、通常の宮中祭祀などを参考に儀式を立案した。陛下の考えに沿い、国事行為以外の10の祭祀の一部には天皇家の私費である「内廷費」が充てられる。ただ、宮内庁は「一連の儀式・行事は皇位継承に深く関連する」として、国事行為以外の祭祀や行事にも公費を充てた平成の即位の例を参考に、今回の退位に伴う祭祀にも公費支出できると整理している。(中田絢子

天皇陛下の退位に伴う主な行事

3月26日 神武天皇山陵(奈良県橿原市)に天皇陛下が拝礼する

4月18日 伊勢神宮(三重県伊勢市)に天皇陛下が拝礼する

4月23日 昭和天皇山陵(東京都八王子市)に天皇陛下が拝礼する

4月30日 退位礼正殿の儀(皇居・宮殿)。天皇陛下の立場として最後に行う儀式で、国事行為。首相が国民代表の辞を述べ、陛下が最後の「おことば」を述べる。三権の長や閣僚、地方代表らも参列する