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日曜に想う 編集委員・大野博人

 「国民の代表」とは選挙で選ばれた国会議員だ――。

 首相官邸が東京新聞記者の質問を制限した問題をめぐり、官邸側がそんな見解を示した。記者が会見に出ているのは民間企業である新聞社内の人事の結果だとも。国民の代表たりえないという主張のようだ。

 この見解について重ねて問われた菅義偉官房長官の言葉には迷いがない。

 「見解って、事実は事実じゃないでしょうか」

 よく似た考えの持ち主が19世紀のフランスにもいた。ナポレオン3世だ。あまりにも有名な英雄のおいということもあって大統領に当選し、さらにクーデターで皇帝になった人物である。報道機関についてこう言い放ったそうだ。

 「私は選挙で選ばれた。だが、記者たちは選ばれたわけではない。報道を制限するのは、民間企業が権力を持つのを防ぐためだ。代表として選ばれた者たちによって表明される人民の声だけで政治をするためだ」

 この理屈が今の民主主義もむし…

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