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 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアの空港で顔に毒を塗られて殺害された事件で、実行犯として殺人罪に問われた女2人の公判が11日、クアラルンプール近郊の高等裁判所であった。検察はインドネシア人のシティ・アイシャ被告(27)について殺人罪の起訴を取り下げ、被告は釈放された。

 マレーシア司法当局はインドネシア政府に対し、事前に釈放の方針を伝えていたといい、政治判断が働いた可能性がある。

 11日朝、法廷で検察が起訴取り下げを表明すると、シティ被告は直ちに拘束を解かれ、弁護士らと抱擁。クアラルンプール市内で記者会見し、「まさか解放されるなんて。家族に会いたい」と涙を浮かべた。同日夜に帰国し、約2年ぶりに家族と再会。「私のために祈ってくれた両親や友人たちに感謝したい」と語った。

 これまでの公判で検察側は、捜査員らの証言や監視カメラ映像などから、両被告が殺意を持って猛毒「VX」を含む液体を正男氏の顔に塗りつけたと主張。裁判所は検察側の主張をほぼ認定する一方、「北朝鮮の男から『いたずら番組の撮影』と聞かされていた」「殺意はなかった」とする両被告の無罪の主張を退けていた。

 検察が公判を有利に進める中、自らの主張を突然覆す形となった今回の釈放の背景には、インドネシア政府の働きかけが影響したと見る向きが強い。インドネシア法務人権相は2月末、マレーシア司法長官に「被告の罪状を見直し、インドネシアに帰してほしい」と手紙で要望。同長官は今月8日、「両国の良好な関係に鑑みて」被告を釈放すると回答していた。

 一方、ベトナム人のドアン・テ…

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