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 東日本大震災から8年。この時期になると、仙台を拠点にするプロ野球・楽天の取材でも、話題は震災に絡んだものが多い。

 地震が発生した当時、1軍は兵庫・明石に遠征中だった。仙台に戻ると、時間を見つけては避難所を慰問して回った。今季から主将を務める銀次(31)は、太平洋に面した岩手県普代村の出身。「震災が起きてから、被災した方たちや被災地のことを思いながら今までやってきた」と話す。

 一方、8年の月日で、震災時から所属する選手は、銀次を含めて7人まで減った。若い選手の中には「当時の大変さを知らない僕たちが、軽々に元気づけるとか勇気づけるとか言っていいのか」と葛藤している者もいる。

 その気持ちは、私もよく分かる。新人選手が毎年行っている被災地訪問や選手によるオフの慈善活動などを取材するたび、建物がほとんどない津波の被災地や被災者の生活を見てきた。被害の大きさや当時の混乱について聞く機会も多かった。そういう時に、「被災していない自分では被災者のつらさを完全には共有できない」と歯がゆさを感じるのだ。

 だがそんな苦い思いを含め、常に被災地を意識していくのがこの球団の使命であり宿命だろう。震災時に選手だった平石洋介監督(38)は「イーグルスの歴史も震災のことも、(若い選手に)伝えるのが大事。我々の姿を見て、何かを感じてもらえるチームでありたい」。楽天にはこれからも、被災地を照らす灯であってほしい。(松沢憲司)