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 あの日、あのときを忘れない――。東日本大震災から8年となる11日、被災地だけでなく各地から鎮魂と励ましのメッセージがおくられた。

 09:00 福岡県朝倉市 福岡市のボランティア団体「夢サークル」が朝倉市の農産物直売所「三連水車の里 あさくら」に設けた仮祭壇で、震災の犠牲者を悼んだ。会場には「3・11」の形にLED製のライトも設置。一昨年の九州北部豪雨で被災した市民らが造花を供えたり手を合わせたりした。献花した西田富重さん(70)は宮城県内にいた長男一家が被災。「3カ月ぐらいして現地に行ったが、(現地は)まるで悪夢のようだった。人ごとと思えず、今日は犠牲者の冥福を祈りにきた」と話した。

 09:40 岩手県釜石市 新しくできた追悼公園「釜石祈りのパーク」で遺族らが黙禱(もくとう)、献花した。ここにあった「鵜住居(うのすまい)地区防災センター」には多くの住民が逃げ込み162人が犠牲に。妻を亡くした三浦芳男さん(73)は「こういう場所ができてよかった。慰霊の中心になれば」。碑には997人の名を刻んだプレートが掲げられ、周囲に「備える」「戻らない」といった教訓を記した「防災市民憲章」が建てられた。

 12:10 宮城県石巻市 市立雄勝病院跡地に整備された慰霊碑の除幕式。木村征子(ゆきこ)さん(75)が、夫の勝(まさる)さん(当時73)の名前を見つけた。捕鯨船員だった物静かで優しい夫は、近所の人を助けに出たまま戻らなかった。碑は夫が愛した海を望む高台にある。「うれしさ半分、でもやっぱり寂しい。五つ年上だったお父さんの年齢も超しちゃって」。悲しみをこらえるように笑った。

 14:46 福島県大熊町 東京電力福島第一原発の新事務本館。津波で電源を喪失し、1~3号機メルトダウン(炉心溶融)に至った事故の反省を胸に、構内で働く東電社員約700人が黙禱。小早川智明社長は「私たちは未曽有の原子力事故を起こした。安全には終わりがない。昨日よりも今日、今日よりも明日と、日々の安全を高めていくことを社員全員で誓いたい」と述べた。

 14:46 神戸市中央区 阪神・淡路大震災の犠牲者を悼むガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の火が「3・11 つなぐ」の形に並べられたろうそくにともされ、約30人が黙禱した。岩手県陸前高田市出身の細谷一(はしめ)さん(58)=神戸市西区=は亡くなった友人たちの夢を今もみる。「お前らちゃんとやれよと言われている気がする。何とか生きて頑張ってるよ、と伝えたい」。NPO「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」の藤本真一代表(34)は「毎年続けることが大切。東日本大震災を忘れていないという思いが少しでも伝われば」。

 14:46 名古屋市中区 愛知県の被災地支援NPOなどが公園で追悼式を開催。約1万個のキャンドルが公園内に並び、約500人が東北に向かって設けられた献花台に白や黄色のカーネーションを捧げた。盛岡市から避難し、同県蒲郡市で長男家族と暮らす似内成子さん(80)は「減ってきてはいるが、いまも避難者がいる。震災を忘れていってほしくない」と話し、手を合わせた。

 15:14 東京都千代田区 政府主催の追悼式で、被災3県の遺族代表が壇上に。「今でもずっと後悔している」「心の中に大きな穴が開いたまま」。あせることのない肉親への思いを、それぞれの言葉で語った。

 18:40 東京都千代田区 日比谷公園で「311未来へのつどい Peace On Earth」が開かれた。被災者らによるトークコーナーに、原発事故で避難生活を送った中村マキさん(50)=福島県南相馬市=が登壇。「震災当日は、東京の人たちも怖い思いをした。東北の人だけが特別なのではなく、みんなが多くのことを乗り越えてきた」と話した。