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 69歳の女性。30年前に受けた輸血が原因でC型肝炎になり、長らく通院していました。昨年、新しい薬を服用したところ、「C型肝炎ウイルスを排除できた」と言われました。今後は、どのようにしたら良いのでしょうか。(兵庫県・B)

【答える人】河田則文・大阪市立大大学院医学研究科肝胆膵病態内科教授=大阪市

 Q 肝炎の新しい薬とは。

 A 肝炎ウイルスに直接作用して増殖を抑える、抗ウイルス薬が5年ほど前に登場しました。これにより、多くの患者でウイルスが排除できるようになりました。それまでのインターフェロンを中心とした治療では排除が難しい場合もありました。治療はがらりと変わりました。

 Q ウイルスを排除した後はどうすればよいですか。

 A 従前の治療は継続して注射するために、必然的に通院します。それに対して今は抗ウイルス薬を8~12週間のむだけです。容易に排除できるようになったからこそ、排除後の通院が重要です。半年から年に1回は、肝臓の専門医を受診し、超音波やMRIなどの画像診断を受けるようにしましょう。

 Q C型肝炎は治っているのになぜですか。

 A 患者の多くは、ウイルスに感染してから長期間経っています。この間に自覚症状が乏しくても肝臓の細胞は傷を受け続けています。抗ウイルス薬はウイルスを退治しますが、それまでに受けた肝臓の傷をすぐに回復させるわけではありません。

 Q 肝臓が傷つくとどうなるのでしょうか。

 A 傷ついた細胞が残っている状態は、がんになりやすい環境です。研究では、ウイルス感染が続いている慢性肝炎や肝硬変の患者では1年間で5~8%が肝臓がんに進行するとされています。排除できた患者では2~3%ですが、がんになるリスクは依然として残っています。がんや肝硬変を見逃さないために、かかりつけ医での血液検査に加え、専門医の定期的な画像診断で肝臓の状態を詳しく調べることを勧めます。

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