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 原発事故を招いた刑事責任を東京電力の旧経営陣に問う刑事裁判が結審した。初公判から1年8カ月余りの審理では、検察官役と弁護側の主張が平行線をたどった。

 業務上過失致死罪の成立にはまず、巨大津波を「予見」できたうえで、結果を「回避」できたという立証が必要だ。検察官役の指定弁護士は3人が予見できたことを裏づけるため、様々な「機会」を示した。

 特に重視したのは2008年2月に勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長の3被告が参加した「御前会議」だ。東電の地震対策センター所長だった山下和彦氏の供述調書と社内資料を元に、国の地震予測「長期評価」を採用して簡易計算した津波予測と対策が了承されたと主張した。

 長期評価を元に詳細計算された津波予測は「最大15・7メートル」になった。だが、同年6月に報告を受けた武藤氏は翌月、「土木学会での検討」を指示している。指定弁護士はこれが対策の先送りだったと位置づけ、証人として出廷した担当者らは「保留は予想しなかった結論で、力が抜けた」などと支える証言をした。

 山下氏の調書は、社内事情にも触れている。東電は当時、新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発の運転を止め、28年ぶりの赤字に転落していた。津波対策で福島も止めれば「さらに収支が悪化する」との見方があったという。

 これに対して弁護側は、調書に…

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