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 彦根市の大久保貴市長は12日の市議会予算常任委員会で、市が毎年主に時代小説に贈ってきた「舟橋聖一文学賞」を廃止する意向を明らかにした。2020年度までをめどにする方針。

 同賞は幕末の彦根藩主で大老井伊直弼を主人公とした「花の生涯」の作者・舟橋聖一の遺族から寄付された基金を基に、1986年度に小、中、高校生対象の「舟橋聖一顕彰文学奨励賞」として創設された。

 89年度からは18~30歳が対象の「青年文学賞」、彦根城築城400年の2007年度からは年齢制限のない本賞を北方謙三さんや冲方丁さんらの時代小説に贈ってきた。今年度の第12回は飯嶋和一さんが「星夜航行」で受賞した。

 市は19年度、小・中・高校生向けの奨励賞を廃止する。一方で、大久保市長らが昨年末に舟橋家を訪れ、19年度は授賞式をせず、事業を見直す意向を伝えたという。大久保市長は「文学賞をやめて、寄託されている蔵書の保存活用に中心を移行したい」と説明した。(大野宏)