[PR]

 三重県名張市つつじが丘北2番町の澤田仁美さん(33)が、3月21日の「世界ダウン症の日」をPRする日本版ポスターのモデルに起用された。和服を着て得意のお茶の手前を披露する姿が使われており、にっこりとほほえむ表情が印象的だ。

 国連が定める「世界ダウン症の日」に合わせ、日本ダウン症協会は2013年から毎年モデルを公募してポスターを作っている。今回の募集要項に「地域で活躍する人」の一文があったことから、仁美さんの母博子さん(69)が「娘自慢をしよう」と応募。9人の応募者の中から仁美さんが選ばれた。

 仁美さんは名張の小中学校の特別支援学級、高等養護学校を卒業し、知的障がいがある人が学ぶ大阪府立大のオープンカレッジを修了。現在は名張育成会が運営する市内の「CAFE&GALLERY ほっぷ」で週4日働くほか、地域で読み聞かせなどを行うグループ「私の一冊文庫」の活動もしている。

 そして一番得意で楽しいと感じるのが茶道だ。小学4年の時に茶道クラブで体験したのがきっかけで、市内の茶道教師に弟子入り。月3回の稽古に欠かさず通って「宋仁(そうじん)」の茶名を受け、8年前には準教授の資格も取った。

 そんな腕前を生かそうと、ポスターは茶道のシーンに決まった。撮影は1月に恩師宅の茶室で行われ、仁美さんは様々なポーズの注文などに戸惑い、撮影終了後に思わず涙を流したという。それでも撮影中は笑顔を絶やさなかった。

 完成したポスターには「あなたの一歩も わたしの一歩も おんなじくらい大変で おんなじくらい面白い。」の文字が入る。初めてポスターを見たときの感想を仁美さんは「かわいいです」と話した。自宅に貼ったポスターの自分の姿を見る度に笑顔になるという。

 博子さんは「居ずまいも正しく美しくできるようになった娘の姿に、継続は力なりを実感した。つたなくて力がなくても、周りの助けを借りて輝けることがある。ダウン症の方もあきらめないで、それぞれの楽しみを見つけてほしい」と語る。

 ポスターは2月11日に東京であった「世界ダウン症の日」キックオフイベントでお披露目され、仁美さん親子も出席した。ダウン症への理解を呼びかけるため、今月21日に向け日本各地で使われる。(吉住琢二)