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 韓国で朴槿恵(パククネ)政権時代の2016年末、元慰安婦らが日本政府を相手に総額約30億ウォン(約3億円)の賠償を求めて起こした訴訟について、ソウル中央地裁がこのほど、審理開始に向けた手続きをとったことが13日わかった。提訴以来、2年以上も棚上げになっていた形だが、5月以降に審理が始まる可能性が出てきた。

 原告は元慰安婦や遺族ら20人。これまで日本政府に地裁から訴状が届いていなかったが、地裁は今月8日、裁判所に掲示することで被告に訴状が届いたとみなす「公示送達」の手続きをとった。2カ月後の5月に効力が発生するため、裁判所はそれ以降に審理を始めることができる。

 日本統治下の被害をめぐり、韓国の裁判所で日本政府が被告となる訴訟が審理されるのは異例とみられる。

 慰安婦問題について日本政府は朴政権下の2015年に「最終的かつ不可逆的」解決をうたった日韓合意を交わしたが、文在寅(ムンジェイン)政権は元慰安婦への支援事業を担う財団の解散を決めるなど合意の空文化を進めている。審理開始に向けた動きの背景には政権交代の影響を指摘する見方もある。(ソウル=武田肇)