「やっと常識が通用した」森友資料、隠した国の意図は?

有料記事

畑宗太郎 大貫聡子
[PR]

 森友学園への国有地売却に関わる文書開示をめぐり、大阪地裁は一時不開示とした国の決定を違法と判断した。判決で「ことさらに秘密にすべき情報だったとは考えがたい」などと指摘された学園の小学校設置趣意書の内容を、国はなぜ開示しなかったのか。

 「やっと、初めて常識が通用した」

 情報公開請求や刑事告発を通じて森友学園をめぐる問題を追及してきた原告の上脇博之(ひろし)・神戸学院大教授は、判決後の記者会見で笑顔を見せた。弁護団長の阪口徳雄弁護士は財務省による決裁文書の改ざんや交渉記録の意図的な廃棄を挙げながら、「国の隠蔽(いんぺい)体質が弾劾(だんがい)された」と評価した。

 戦後の「西欧共産的個人主義」の悪影響を排し、「原日本人を復活」させる教育に邁進(まいしん)することを決意した――。森友学園前理事長の籠池泰典被告(66)=詐欺罪などで公判中=が財務省近畿財務局に提出した設置趣意書には独特の言葉が並ぶ。だが、具体的なカリキュラムなどはなく、当の籠池前理事長も今回の訴訟で「あえて秘密にする内容でもなかった」とする書面を提出している。

 それでも、近畿財務局は「経…

この記事は有料記事です。残り1053文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません