宮内庁が2014年に完成させ、天皇、皇后両陛下に献上した「昭和天皇実録」に約5千カ所の誤りが見つかった問題で、山本信一郎長官は14日、会見で「申し訳ないと申し上げるしかない」と陳謝した。

 昭和天皇実録は両陛下に届けられた後、報道機関や研究者らに電子データなどで提供され、広く引用されてきた。大半の誤りは完成後の一般向けの出版作業の中で見つかったが、宮内庁は公表せず、15年3月以降に順次出版された公刊本の中で修正するにとどめていた。

 元のデータは歴史研究に用いられる資料だけに、所功(ところいさお)・京都産業大名誉教授は「早く誤りを明示してもらえたら良かった」と話した。所氏は昭和天皇に関する本を執筆する中で誤りに気付いたといい、事前に公表していれば「研究者は引用の際に注意できたし、修正のための材料も提供できた」と語った。

 山本長官は「公刊事業をやりきることで精いっぱいだった。あらかじめお知らせすべきだった」と対応のまずさを認め、今後は「正誤表の作成に全精力を費やしていく」と述べた。

 公刊本は今月下旬に最終巻となる19冊目が出版される。