千葉)習志野、投打に手応え 10年ぶり選抜あす初戦

松山紫乃
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 第91回選抜高校野球大会習志野が出場する。夏には全国制覇の経験もある伝統校だが、春の甲子園は10年ぶりだ。大会第2日の24日、第1試合での日章学園(宮崎)戦を控え、選手たちの気合も高まってきている。

 大黒柱はエースの飯塚脩人君(3年)。最速145キロの本格派右腕で、球威のある直球が持ち味だ。変化球はスライダーとカーブの2種類で、課題だった制球は冬を越えて「良くなってきている」という。

 先発が多い左腕・山内翔太君(2年)はコントロールが良く、打者のタイミングを外して、打たせて取る投球で試合の流れを作る。この2人を中心に、昨秋に公式戦初出場を果たした右下手投げの岩沢知幸君(3年)らが控える。

 守備の要は遊撃手の角田勇斗君(2年)で、二塁手の小沢拓海君(同)も広範囲な守備力を見せる。昨秋の関東大会1回戦で2度も本塁への好返球を見せた中堅手・根本翔吾君(3年)の存在も大きい。

 一方、小林徹監督(56)が「秋の打撃力はどこよりも負けていたのでは」と話すように、打撃力の向上が新チームの課題だった。昨秋の公式戦のチーム打率は2割9分8厘にとどまり、全員が毎日800球の打撃練習に取り組んだ。打線の中心を担う根本君は「練習してきた分の成果は出てきていると思う」と手応えを口にする。

 「本番で実力以上のものが発揮できる不思議なチーム」と小林監督。昨秋の「関東ベスト4」に見合う実力をつけようと、冬は野手陣は打ち込みの量を倍に、投手陣は約2時間の走り込みを行うなど、基礎練習を重ねてきた。

 今年は2年生も多い若いチーム。小林監督は「勝つこと以上に負けないことで1試合でも多く経験して、若い選手たちの栄養分にしたい」と話す。

 チームを引っ張るのは「2人の主将」だ。昨秋から、左翼手の竹縄俊希君(3年)と中堅手の根本翔吾君(同)が務めている。

 発端は昨秋の県大会決勝後のミーティング。小林徹監督は竹縄君に「お前が半分背負ってあげろ」と告げた。

 「どうして自分が」。竹縄君はそう思ったが、小林監督に「試合中、お前が一番よく周りを見ている」と諭され、異例の「ダブル主将」態勢が始まった。

 それまでは、昨夏もレギュラーとして試合に出場していた根本君が主将、竹縄君は副主将だった。ただ、根本君は「チームを引っ張らなくては」という焦りと責任感に駆られるようになる。次第に自分のプレーに集中できなくなり、秋の県大会は6試合で7安打にとどまった。

 「自分の力が足らないとは思って欲しくなかった」。根本君の本来のプレーを引き出すため小林監督が考えたのが、ダブル主将制。いつも慎重で一歩引きながらチームを見ていた竹縄君に白羽の矢を立てた。

 ダブル主将は、昨秋の関東大会から本格的にスタートした。ウォーミングアップやランニングの際の声かけ、ミーティングでの反省の言葉……。2人の主将が交互にリーダーシップを発揮する姿に、最初は戸惑った選手たちも、今は「うまく回っていると思う」と話す。小林監督が「2人は熱くなる場面が違う」と話すように、試合では、その時に冷静な方がチームに声かけや気配りをしているという。

 「1人でやってきたことを2人で話し合えるようになって負担が減った」と根本君。昨秋の関東大会から調子が戻ってきたという。選抜の組み合わせ抽選会でくじを引いた竹縄君は「1人だとチームの隅々まで気づけない。2人で良かったです」と笑顔で話した。(松山紫乃)