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 山梨県富士河口湖町の山間の集落で、地元の食材を使った「蕗薹(ふきのとう)なんばん」が大人気だ。フキノトウを里山で収穫し、高齢者が畑で作った唐辛子をあわせる。雑炊やお吸い物、冷ややっこ、塩振りの焼き鳥にまぶすと春の香りが広がる。「山里の名物にしたい」と住民の期待を集めている。

 集落は河口湖の西端にある長浜地区。同じ河口湖畔でも、大型ホテルが並んで外国人観光客でにぎわう湖東部とは雰囲気が異なる。御坂山地が湖に迫り、わずかな平地に約160世帯が暮らす。大半が60代後半の高齢者世帯だ。

 作り始めたのは深刻な獣害がきっかけだった。ダイコンやニンジン、ジャガイモを作っても、山から下りてくるシカやイノシシ、サルに全部食べられてしまう。電気柵に投資する余裕はない。唯一、無事に収穫できる作物が唐辛子だった。栽培は約20年前に始まり、富士北麓(ほくろく)名物「吉田うどん」の薬味として使われてきた。

 町と住民は、地域おこしを目的…

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